ずっと楽器を吹いてみたいと思いつつなかなか機会がなかったり、また、ある時偶然コンサートやライブで目にした楽器に惹かれて始めようと思ったり、楽器を始める動機はそれぞれだと思いますが、せっかく手にした楽器を少しの練習で「こんなはずじゃなかった…」と、楽器から離れてしまった人を私は今までに何人も目にしてきました。
楽器を始めるのも、辞めてしまうのも全くもって本人の自由ではありますが、私にはそれが他人事ではありながらとても残念なことに思えました。
これから綴る内容が、管楽器を初めてみよう、購入しよう、とお考えの方にとって何か参考になれれば幸いです。
ちなみに私は学生時代の吹奏楽部での経験を経てより、社会人で初めてマイ楽器を手に入れ、ひょんなことから社会人バンドとして吹奏楽団を創団。以降20数年、代表兼バンドマスターとして定期練習を軸に演奏披露の場も設けつつ活動してきました。
一般的に、入団条件に初心者を不可とする楽団も少なくないからか、うちの楽団(初心者可)への入団者の中で全くの初心者さんはメンバー全員の中で常時1割程度は在籍していました。しかしながらその1割ほどの初心者さんの中でも練習には熱心に来られるものの、自分の初心者レベルに遠慮をしてかメンバー全体で行う合奏練習には一度も加わることなくしばらくすると辞められる方は多かったです。
やはり大人になってから忙しい日々の中、バンドに入っていようがいまいが時間を割いて楽器の練習をするというだけでも容易なことではありません。しかも管楽器の練習ともなると騒音の問題もありますので仮に練習時間の捻出ができたとしても、どんな場所でも練習していいというわけにもいきません。
楽器の入手だけでもなかなか大変で、やっと手にいれたかと思いきや今度は練習時間がない、時間ができても練習場所がない……しかも最近ではコロナ禍の状況下、活動にも様々な制限がつきまといます。
しかしながら、せっかく管楽器を始めたいという気持ちの芽生えが生じたのでしたら、その芽生え、何とか花が咲くところまで無事に育ててあげたいですよね。
そこで、何の楽器をやってみたいか決めていない場合はもちろんのこと、具体的に決めていたとしても、楽器を手に入れる前に少しでも「こんなはずじゃなかった」という後悔の種が排除できるよう、本格的に始められる前に(中古にせよ新品にせよ楽器を入手する前に)……、
☆★☆まずは試し吹き、試奏(しそう)をおススメします☆★☆
逆にいえば、何も試すことなく入手(購入)することは「こんなはずじゃなかった」という後悔の種そのものではないでしょうか。
試奏したからといって必ず試奏した楽器を購入しないといけないわけではありませんし、楽器店などでキャンペーンが開催されている折には普段は店頭にない楽器を試しに吹いてみることもできるのでぜひそのような機会を楽器選びの参考に活用してみてはいかがでしょうか。(キャンペーンの期間や内容についてはHPで調べたりお店に問い合わせてみてくださいね)
憧れや思い入れから、入手前に試すこともなく、もし仮に「自分はトランペットが吹きたいんだー!!」という気持ちから、そのまま楽器を購入するのもモチロン本人の自由なんですが、一度も吹いたことがないのならせめて手に入れる前に、楽器が鳴らせそうか、鳴らせなくても気長に続けられそうか、実際に吹いた感触から改めて自分の気持ちを確かめてみるのも大切なことです。
なぜならば、試奏をしたこの時、学校の音楽の時間で吹いたハーモニカやリコーダーとは、マウスピース(楽器の吹き口)への自分の口の当て方やくわえ方が全く違うことを体感するでしょうし、吹き込んだ息の全てがすぅっと抵抗なく入っていかない違和感も覚えることでしょう。
そのように実際に吹いてみることで、最初に購入を検討していた楽器への考えは変わらずにあり続けるのか、「いや、別の楽器にしようかな」と変化が現れるのか、自分で確認してみてください。
仮にピアノのような鍵盤楽器なら鍵盤を押せば音は出るので子供でも一番低い音から一番高い音、端から端まで順番に押していけば全ての音を出すことは可能です。
その点、管楽器はまず音を出すことが難しいのです。奏法やコツに沿わないと音そのものが出ません。木管楽器でもクラリネットやサックスといったリード楽器はリードを振動させなければ音は出ませんし、金管楽器は奏者の唇を振動させないと音が出せません。
そして、少し音が出るようになってもすぐに低い音から高い音まで多くの音をまんべんなく滑らかに演奏することは簡単ではありません。
なんだか管楽器はとても難しく初心者にはハードルの高い楽器という印象を強めてしまったかも知れませんが、そんなことはありません。小学校のクラブにもブラスバンド部(金管楽器のみの構成)を設けているところはありますし、中高では殆どの学校で吹奏楽部(木管楽器・金管楽器・打楽器の構成)がありますよね。※混同している方も多いですがブラスバンドと吹奏楽は編成が異なります。
焦らずに丁寧な練習を重ねていくうち楽器にも慣れていくことで、楽器の方も徐々に奏者に応えてくれるようになるでしょう。
ただ、楽器の見た目や雰囲気だけに惹かれて購入することを頭から否定するわけではありませんが(人間でもひと目惚れから始まってお付き合いがうまくいくパターンもありますしね♪)、自分で選んだ楽器が本当に自分に合っているのか、楽器選びは手に入れる前にまずは吹いた感じ、持ってみた感じなど色々と試してみて下さい。
試した後に、金銭的なこだわり(維持費や消耗品の高い安いなど)はあるのかないのか、どんな曲(ジャンル)を演奏したいのか、一人で練習するだけでいいのか、ゆくゆくはどこかのバンドに入りたいのか、、、、それによって楽器選びも変わったりするのですが。
まずは楽器の体感、試奏で理想と現実の差がどんなものかを感じてみて下さいね。購入希望の楽器に何の差異も違和感もなくますますその楽器の魅力が深められたという実感を得るのも、また別の楽器の方に惹かれたという出会いも、全てが試してみないと得られない感覚ですので。
一生のお付き合いになるかも知れない楽器ですので、いい出会いを心より応援しています♪
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