先日、仕事中のことです。用件を終え、とある施設を出ようとした時のことです。
施設の受付の方がなにやら慌てている様子に気づきました。受付の方と訪問者(来客?)との会話も一瞬耳に入ってきました。
私は別の場所へさっさと移動しなければならず、受付の方と訪問者とのやり取りから得られた情報は、両者の傍をすれ違う際に入ってきたわずかなものでした。
もちろん、聞き耳を立てて人の話を聞いていたなんてことでは全くないのですが、近くを通った時にたまたま聞こえてきた話が、私にはあまりに意外な内容だったので施設を出た後もしばらく気になってしまいました。
では、具体的にどんな話だったのかと言いますと…。
「引っ越してきたばかりでぇ、家への帰り方が分からないんですよぅ。」と慌てる風でもなく淡々と話す訪問者。ちなみに訪問者は30から40歳ぐらいの女性。声や話し方の印象からすると、もう少し若い方かも知れません。
受付の方がスマホは持っていませんか?と尋ねると「忘れてきちゃってぇ…。」との返答。どうやってここまで来られたのですか?と訊くと「ここは●●の店の近くだとあったから●●を目印にして来たんですぅ。」
また別の受付の方が地図を片手に訪問者の方へ寄って行っていました。
私がすれ違いざまに目にした光景はここまでです。
帰るべき家が分からないとはどういうことなんだろう?…子供なら迷子ということは珍しくなく、またある程度の高齢者なら認知症の可能性もあろうかとは思うけれど、どちらの年齢でもありません。土地勘が乏しいながらも目的地(施設)に来ることはできた、でも帰宅が叶わない原因はなぜなのかと、他人事ながらとても不思議に思ってしまいました。
なにより、帰り方が分からない、と言っている当事者がそんなに困った風にではなかったことが私の中で不思議さを増幅させていたと思います。むしろ困っていたのは受付の方でした。
その後、訪問者の女性がどうなったのかは見聞きすることもありませんでしたが…、
訪問者本人が分からないのは帰り方であって、越してきた新しい住所地名は分かっているということ、受付の方も住所を聞いた上で訪問者の自宅周辺が分かる地図を出してきたということ、それらのことから察するに最終的には訪問者の女性は無事に帰宅されたのでは、と思います。多分。(なんならタクシーに住所を伝えれば送り届けてくれますしね☆お金は多少かかりますが)
さてさて、「自分の家までの帰り方が分からない」と話す女性の言葉に内心、(え?!)と思ってしまった私ではありますが、しかしながら私自身、道を覚えるのがとても苦手で慣れていない土地ではナビがあっても迷いますし、記憶力もいい方ではないので三日前に何を食べたのかさえ思い出せなかったりします。もっと酷くなるとお恥ずかしながらお酒を飲み過ぎた時には記憶がなくなっていたりすることもあるので、そういうことをかんがみれば私には他人の記憶力をどうこうとは言えませんね、全く☆
ただ、ちょっと気になっていたことがあるのですが…。
私はもともとお酒を飲んでも顔が赤くならず、また気分が悪くなるということもほぼないので、自分ではどちらかといえばお酒は強い方じゃないかと思っていたんですね。少なからず、お酒に弱くはないだろうとたかをくくっていたわけです。なのに、お酒を飲んだ時の記憶が曖昧だったり、記憶そのものがなくなることがここ数年で増えました。周りに迷惑をかけるようなお酒の飲み方をしていたかどうかさえ覚えていないというのはかなり問題ですし、このような状態ではけっしてお酒が強いとは言えず、そもそもにおいて私は飲酒や記憶について何か大きな誤解をしているのではないかと思うようになりました。
皆さんはいかがですか。
お酒を召されたら顔が赤くなりますか?時間が経っても記憶は残っていますか?
アルコールを摂取した時に頬がほんのり赤くなると、特にそれが女性だと愛らしかったり色っぽい感じもするのですが、私は今まで、「顔が赤くなる」イコール「お酒が弱い」とか「血の巡り、血行が良い」とか、なんとなく適当なことを思っていましたし口にもしていました。※まったくもってテキトーです。
ですが、飲んだお酒が体内でどうなっていくのかを調べるにつれ、飲酒による顔色の変化だけをお酒の強さを計る基準にするのは危険だと思うようになりました。要は、お酒を飲んでも顔が赤くならないから酔っていない・お酒に強いとは言い切れない、ということです。
では始めに、お酒(アルコール)を飲むとどうなるのかというところから簡単に説明しますね。
まず、通常の栄養素は小腸から吸収されますが、お酒の成分であるアルコールは小腸だけでなく小腸より上部にある胃からも吸収されます。
吸収されたアルコールの血中濃度の上がり方は血糖上昇よりも速いぐらいだそうです。
そして、アルコールは肝臓で代謝され「アセトアルデヒド」(毒素)となり、さらに代謝され「酢酸」へと変化していくのですが、アセトアルデヒドが代謝できずにいると全身に毒素が回ることになり、いわゆる二日酔いの症状(赤い顔、頭痛、吐き気など)が出ます。
そうなんです、お酒を飲んで顔が赤くなるなど二日酔いの症状は「アセトアルデヒド」の毒性によるものと考えられているんですね。なので、お酒を飲んで顔が赤くなったり気分が悪くなる人は自他ともに「お酒に弱い」となるでしょうし、俗にいう酒乱となるほどには酔えません(まれに例外はあるかも知れませんが…☆)。
では、アルコールもアセトアルデヒドも両方ともに代謝でき、顔も赤くならずに飲み続けられる人はどうか?といいますと、そういう人の事をパッと見た感じにはお酒の強い人と呼ぶのかも知れませんが、そもそもアルコールを代謝するのにはとても時間を要するので、一見お酒に強そうな御仁でもついついお酒の量が過ぎてしまい、酒乱に至りやすいということだそうです。さらには(アルコールの代謝には時間がかかることからも)血中のアルコール濃度が異常に高くなるとともに、記憶をつかさどる脳の中の海馬という部分の血流が悪くなり、ブラックアウト(お酒による記憶障害)を起こしてしまうのだそうです。
え?意外ですよね?
食前酒として出されるように「飲めば食欲もわき血行が良くなる」などお酒に健康的な効果を見込む一方で、飲み方や量を誤ると逆に血流が悪くなるなど私は全く想像すらしていませんでした。また、血流の悪さから記憶障害に至るなど初めて知りました。なんなら飲酒時の記憶喪失はむしろ血流が良くなりすぎて起こっているといった風な、間違った認識を私自身ずーっと持っていたんです。
また、血中のアルコール濃度に脳はダメージを受けるのだそうですが、これについては認知症とお酒の関係性として実証されてはいないものの、認知症発症と全くの無関係とは言い切れなうのだそうです。
飲酒時に一時的に記憶が曖昧になるだけでなくアルコールが認知症の誘因になっているかも、といわれるとさすがにこれからお酒を飲む機会には、酒量も控えめかつ飲み方にも気を付けたいと思いますね。空腹の状態で短時間にガブガブ飲むという飲み方が本当に危険であることがよく分かりましたので、
これからは、、、
・胃壁からのアルコール吸収が急激とならないように、できればナッツなど脂分が豊富なものをお酒を飲む前に食べたり、お酒の間にお水を飲むように気を付けた方がいいでしょうね。
まぁ、一番には量を飲み過ぎないことが大切ですけどね☆
新型の感染症が完全に収束となったわけではありませんが、条件付きながらも(あるいは無条件で)飲食店での飲酒も可能になり、営業時間も平常になりつつあるこの頃、家呑みにも飽きたお酒好きの方が夜の街に繰り出す、ということも往々にしてあると思いますが、お酒を飲む際には感染症予防のみならず、内臓や脳もなるべく傷めないような飲み方を心がけたいものです。
また、昨今、健康志向の高まりからも、お酒はダメ・甘いものはダメ・タバコはダメ……とダメダメづくしのように言われることも多いですが、お好きな方にとってはこうもダメダメだらけだとストレスでしかありませんから、やはり嗜好品はマナーを守って適量を摂取、というのが芳しいのかもしれませんね。
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