コロナウィルスも色々な株が出現しました。これから乾燥の季節、冬の訪れともなると感染者がさらに増えるのではないかと心配でしたが、報道で知る限り感染者数は減少傾向とのこと。日常の感染予防に加え、ワクチン接種の効果の表れでしょうか。
まだ手放しで喜ぶには時期尚早ですが、コロナ禍でさまざまに苦しんでいらっしゃる方が少しでも早くその苦しみから解放されることを願わずにはいられません。
実は今年の夏、全国でも感染者が爆発的に増えた時に私もコロナウィルスに感染してしまいました。
仕事も終わりかけの夕方、なんとなく倦怠感があって翌日の朝には高熱がでていて、会社に発熱の報告を入れたのち発熱外来にて検査を受けました。検査結果が出るまでの間は本当に長く感じました。
「陽性です。」
(え?)検査結果を聞き間違えたかと思いました。常々、消毒やマスクもちゃんとしているし自分がまさかコロナに感染するはずはないと高をくくっていたからです。
ドクターの話では「保健所から連絡がありますから今後については指示を受けてください」とのことでしたが、かなりの数の感染者対応に追われていたのでしょうね、正午頃に病院を出てより保健所からの連絡が来たのは夕方6時をゆうにまわっていました。内心、本当に保健所から連絡はあるのかどうか不安にもなりましたし、感染者の多さがゆえに自分は忘れられているんじゃないかとさえ思いました。
ですが、保健所の方のとても親身で丁寧な話しぶりには本当に頭が下がる思いを抱きました。なぜなら、体調のすぐれない患者の話は声が小さかったり、あるいは会話中に咳き込んだりと、話の内容も互いに聞き取りづらいと想像できます。そして治療の説明や案内について話してもすぐには理解ができない患者も少なからずあるでしょうに、それにも関わらず仕事とはいえ誰に対してもこうやって丁寧に対応してこられてるんだろうなぁ、と感じたからです。(一瞬でも、どうせお役所仕事だから電話がかかってくるのも遅いんだろうと思った自分を猛省しました☆ホントにごめんなさい)
ともかくも、保健所の方の案内により施設での療養を申請してもらい、ホテルの空き待ちとなりました。いくつかのビジネスホテルが療養施設とされていましたが、あの当時はどこのホテルもいっぱいですぐには入所できない状況でした。
それでも自宅待機から3日後に無事にホテルに移れることとなりました。思ったより早く入所できることにホッとしたのを覚えています。なぜなら、家族と共有の洗面所を使うことがためらわれ、ずっと髪が洗えずにいたのでホテルに行けばそれも解消されると思ったからです。※家族のPCR検査結果は陰性だったので、私がウィルスをうつすわけにはいかないと、自宅待機となってからは私は風呂場には入らず洗面所も使わないでいたのです。蒸しタオルで体を拭いたり、歯磨きは自分の寝室を開けたところのベランダの排水溝を使っていたのでした。
既にメールで荷物の説明を受けていたので大きなスポーツバッグに次々に持ち物を入れていきました。いつまで療養先に滞在することになるか分からないので、多めに持っていくのが無難だと、のど飴やお茶のティーバッグなどは自宅にあるだけ持って出ました。ちなみに洗濯ができるタオルや衣類はそんなには詰め込みませんでした。
そして、その後、結果論ではありますが私は14日間ホテルに宿泊していました。
その間、足りなくなったものの一つは解熱鎮痛剤でした。
コロナウィルスの陽性を告げられた時に一週間分の解熱鎮痛剤は処方されていましたが、それでは足りなくなり急遽、宿泊ホテルの近隣にある病院の診察をパソコン越しに受けることとなりました。(薬は新たに処方してもらえました)
もう一つは、のど飴です。自宅にあるのど飴すべてを持って出たのですが(すべてと言っても自宅でも口にしていましたので未開封ののど飴は2袋だけでしたが…)、1週間ももたずに食べきってしまいました。
本当なら、2週間の滞在で不足だったなぁ、と感じるのは薬とのど飴で話が終わるはずだったのですが、熱も下がり始め、もうそろそろ自宅に帰れそうな療養解除が目前の頃、事件?が起きました。
何となくお腹周りが痒くて衣類をめくると、5ミリ前後のプックリとした膨らみが幾つもできていました。蚊に噛まれた痕よりは若干小さめです。数えてみるとその膨らみは10数個もあり、痒みからどうしても無意識に掻いてしまいます。これはダニだな、と思いました。
ですが考えてみれば無理もない話で14日の間に一度も布団やシーツの交換はなく、勿論、干したりもしていないのです。そして、寝ているのは発熱状態の私ですから、たっぷりと汗もかいています。高温多湿に皮脂や汗など吸った布団はまさにダニが育つ環境にはうってつけですよね、そして私はダニの餌食に…(涙)。
ひとまずホテルにかゆみ止めをわけてもらえないか問い合わせました。だって痒いと眠れませんものね。しかし残念ながらホテルにかゆみ止めはないとのことでした。せめて布団の交換だけでもしてもらえないかと尋ねても布団に予備はないとあっさり断られてしまいました。
翌朝、看護師さんにもダニのことは伝えました。
「布団の予備にせよかゆみ止めの薬にせよ何らかの改善をホテル側にもとってもらわないと、こうも痒みがあると寝るに寝られないです、自分で薬を買いに行こうにも自分は感染者だから外に出られないですし。」
※そうなのです、施設での療養中、勝手に建物を出ると警察を呼ばれる事態になると入所前の案内に記されているのです。何のための隔離療養かと考えれば当然ですけどね…。
看護師さんは分かりました、と一言。私もそれ以上は何も言いませんでした。看護師さんに話をしたこの日、療養解除が決定し私は晴れて自宅に帰れることになっていたのです。結果的にダニの餌食になるのは1日だけで済みました。やれやれ。
そして、幸い私はコロナウィルス感染の症状としては命の危機もなく軽度で済みました。本当に幸いなことです。ですが、今後またどのような形で感染症に罹り、隔離療養の措置がとられる日が訪れないとは限りません。命の深刻な状況に痒みという症状は今一つ軽んじられてしまいそうですが、痒いとイライラして落ち着けませんし眠れませんよね、眠れないとしっかり療養もできません。何より、ダニに噛まれることに因り感染症を引き起こしたりアレルギーの発症に繋がったりする場合もあります。たかがダニ、されどダニなのです。
そう何度もおこることとは思っていませんが(あっても困る)、ダニよけグッズや虫さされのかゆみ止めは夏限定ではなく、万が一の為に常備が必須と実感した次第です。
もし感染症により、施設での療養が必要となられた方がいらっしゃいましたら……、今はどの施設でも改善されているかも知れませんが、念のため、宿泊施設に布団の予備の有無やシーツの交換頻度、そしてダニ対策について、事前の問い合わせが可能ならば宿泊の前に尋ねられるのもいかがかと思います。
いずれにせよ、コロナ禍で苦難な思いをされている方が少しでも早く快方に向かわれますように…切に願っています。
コメント